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第3回 廃校施設の活かし方・楽しみ方

2016年01月31日 | 地域と人のお話


高台から見た旧・早川北中学校舎

夏の終わりに山梨県内を小グループで旅行した。日蓮宗の総本山・身延山久遠寺などを回り、その日の夕方、目的地の温泉宿泊施設「ヘルシー美里」に到着した。そこはホテルでも旅館でもない。大自然に囲まれた廃校を利用した町営施設だった。委託業者の若いスタッフがきびきびと働いていた。

日本が「人口減少社会」に突入したのは2008年ころからとされる。だが、少子高齢化の動きはもっと前から始まっており、子どもの数は都会でも田舎でも減りつづけている。山梨県早川町では20年前、統廃合により中学校を閉鎖した。その後、使われなくなった校舎を町が改修し、温泉宿泊施設として甦ったのがヘルシー美里である。登山や釣りなどのレジャーや南アルプスの自然を体験する拠点として利用できる。


ロビーに並んだパンフレットなど

宿泊客は小中学生に戻った気分で…

正面玄関を入ったロビーはかつて職員室があった場所。壁には学校の校歌や全景写真などが貼ってある。子どもたちが勉強していた教室は、10畳ほどの和室に仕切られ、見事に変身している。食堂は渡り廊下の先にある旧・図画工作室。むろんその面影はない。体育館の卓球台は1時間500円で利用できる。校庭の片隅では、若い宿泊客たちがヨガを楽しんでいた。

改めて考えてみると、学校には何でもある。広い校庭、プール、体育館。校舎内には教室のほか、家庭科室や音楽教室もある。誰もが通った学び舎は、地域の中心的存在であり共有財産であった。人口減少対策は別の次元のテーマだが、閉鎖された学校施設を地域の実情や需要に応じて創意工夫すれば、いかようにも利活用でき、新たな人の交流の場にもなりうる。

こうした廃校を利用した施設がいま、全国いたるところにある。5年ほど前、月刊「地域づくり」誌上で、廃校利用のユニークな事例を紹介したことがある。

例えば、北海道占冠(しむかっぷ)村では、廃校した小学校が「双民館」と名付けられた施設に衣替えし、郷土資料室や体験工房などとして地元住民らに利用されている。開設されて既に15年。村民と都市の交流にも一役買い、学校にも負けない地域の核になっている。そういえば、毎年7月に開催される「亜麻まつりin当別」の会場も、当別町の旧・東裏小学校を利用しているそうだ。

宮城県石巻市の離島では、廃校後の小学校校舎が島民の最も望んだ「保健・福祉・医療の複合施設」に生まれ変わった。栃木県那珂川町の廃校施設は「もうひとつの美術館」の名称で、里山に立つ芸術活動の場に変わり、アートの発信地となっている。三重県大台町では、NPO法人が運営し地元の魅力を教える「自然学校」が誕生し、過疎地に若者の職場を創出している。

さらに鳥取県の廃校施設では、プールを利用してドジョウの養殖を手掛ける試みもあり、廃校から生まれる新しい特産品を生み出している。鹿児島県南九州市では、廃校をグリーンツーリズムの拠点にし、訪れた都会っ子たちとの新たな交流が地域住民にも元気を与えている…。


食堂には学校施設の雰囲気が残る

廃校施設がどう甦るかはアイディア次第

文部科学省によると、廃校になった公立学校数は毎年、全国で400~600校もある。少子化による児童・生徒数の減少や、市町村合併の影響などが背景にある。1992~2011年度までの20年間では6,800校余りの公立学校が廃校になっている。都道府県別では、北海道が最多の760校。次いで東京389校、新潟303校と続く。少子化の影響は東京とて例外ではない。

廃校施設には、多彩な活かし方・楽しみ方がある。廃校後の「有効活用事例」が文科省のHPにも掲載されているが、全国の廃校施設がどう甦るかは、地域や自治体、住民たちのアイディア次第ということになりそうだ。


「校舎の宿」の前で団塊世代の宿泊客が全員集合!
原田和義
原田和義(はらだかずよし)

フリーライター。通信社入社後、東京、福岡、ニューヨーク、大阪、広島などで勤務し、地方の動きや日米経済などを取材。退職後、財団法人地域活性化センターの月刊誌「地域づくり」編集長、現在は多言語情報サイト「ニッポンドットコム」編集部シニアエディターとして、日本の動きを世界に伝えている。

HP : ニッポンドットコム

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