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第2回 日本で最も美しい村

2016年01月31日 | 地域と人のお話


ケンとメリーの木(写真提供:美瑛町役場)

初夏から夏へ。北海道は観光客にとってベストシーズンを迎える。筆者も昨年夏、道内を小旅行し、雄大な大自然を満喫した。東京方面からカーフェリーで苫小牧に上陸し、富良野市を経由して旭川市に向かう途中、観光客でにぎわう美瑛町に立ち寄った。馬鈴薯や小麦、豆類などの畑作の丘陵地が美しい景観を作り出していた。

この町は、浜田哲町長が「日本で最も美しい村」(the most beautiful villages in Japan)連合の会長を務めることでも知られる。2年ほど前、月刊誌「地域づくり」の編集に携わっていたころ、「『日本で最も美しい村』に学ぶ」という特集記事を企画し、美瑛町の担当者にも執筆いただいたことがある。

今ではテレビや新聞・雑誌にもしばしば登場するが、NPO法人「日本で最も美しい村」連合が設立されたのは2005年秋のことだ。過疎化や少子・高齢化に悩む農山村が、自らの町や村が持つ魅力を再認識し、景観や文化を守る活動に取り組もう――というのが設立の狙いで、さまざまな活動を展開している。


セブンスターの木(写真提供:美瑛町役場)

設立当初、加盟自治体は美瑛町のほか、北海道赤井川村、山形県大蔵村、長野県大鹿村、岐阜県白川村、徳島県上勝町、熊本県南小国町の7町村にすぎなかった。現在は北海道から沖縄まで47町村・7地域に広がっている。道内では標津町、黒松内町も美しい村連合の一員である。

この活動のお手本はフランスにある。1982年に創立された「フランスの最も美しい村協会」が、小規模ながら歴史的な遺産に富み、町並みが美しく、その景観保護に力を入れているコミューン(自然村)を「フランスの最も美しい村」として認定し、紹介するものだ。フランス国内では旅行者が旅先を決定する際、判断材料としても活用されている。

この運動が日本で始まったきっかけが興味深い。美瑛町の浜田町長と食品メーカー・カルビーの松尾雅彦社長(当時)の出会いがそれだ。

松尾氏が1998年にフランスを訪問した際、ブルゴーニュ地方で「フランスの最も美しい村協会」の存在を知った。浜田町長からまちづくりについて相談を受けていた松尾氏は、美瑛町の美しい丘を守るにはこのような運動が必要である、と直感した。

浜田町長もその後、フランスを訪問し、フランス協会の運営に強く共感した。帰国後、浜田町長は、この運動の理念に共感する町村長を募り、2005年10月に「日本で最も美しい村」連合を立ち上げた。

この活動は国からの支援を受けず、行政とこの理念に賛同するサポーター企業が資金を出し合い、これに地域の住民ら個人の支援を得て行われている。加盟には厳しい審査基準もある。対象となる自治体は、①概ね1万人以下の人口、②地域資源が2つ以上ある、③連合が評価する地域資源を活かす活動がある――などの条件を満たす必要がある。

それでも希望する自治体・地域が必ず加盟できるわけではない。「美しい村」としてのブランドイメージを守るため、加盟認定後も5年ごとの再審査を受け、基準を満たさなければ資格をはく奪される。それによって、高品質な観光資源やお客さまの受け入れ態勢、農畜産物や海産物などの面で「美しい村ブランド」が維持される。


日本で美しい村・ロゴ(写真提供:美瑛町役場)

日本の「美しい村」連合は2010年9月、フランス・イタリア・ベルギー・カナダの4カ国で構成する「世界で最も美しい村」連合に正式に加盟した。現在では、ドイツ、ポルトガルの「美しい村」も加盟し、国際的な輪が広がっている。さらに韓国にも「美しい村」の組織が誕生するなど、活動はアジア地域にも浸透しつつある。

過疎地に住む人々が、小さくても素晴らしい、オンリーワンの地域資源の存続や保全活動に取り組む。美瑛町長の呼びかけで始まった国内の「美しい村」運動は、今後も広がっていきそうだ。

*「日本で最も美しい村」連合事務局:北海道上川郡美瑛町役場 政策調整室
MAIL seisaku_chousei@town.biei.hokkaido.jp
URL http://www.utsukushii-mura.jp/

原田和義
原田和義(はらだかずよし)

フリーライター。通信社入社後、東京、福岡、ニューヨーク、大阪、広島などで勤務し、地方の動きや日米経済などを取材。退職後、財団法人地域活性化センターの月刊誌「地域づくり」編集長、現在は多言語情報サイト「ニッポンドットコム」編集部シニアエディターとして、日本の動きを世界に伝えている。

HP : ニッポンドットコム

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