栄木敏文さんに聞いた
亜麻栽培のこと
亜麻の試験栽培を始めて3年目くらいから、本格的に亜麻を育て始めた農家の栄木敏文さん。「亜麻の畑を見に来てくれる人がいるのは、単純にうれしいですね」と話します。
播種から収穫までが早く重宝な半面、収量が安定しない難点も
「麦とのコントラストが、とてもきれいですね。亜麻の青い花と緑の葉、バックの小麦のコントラストが見事なんです」と、亜麻畑の美しさを語る栄木さん。栽培については「大変だとは思わない」といいます。
「播種から収穫までが早いので、輪作作物の一つとしてはとても重宝するんです。ただ、収量が安定しないのがね。この作物は収穫の時にならなければ、どれだけ採れるか収量がわからないのが、他の作物と違って難しいところですね」
昨年も途中までは成長が良好だったそうですが、最終的に収量は通常の半分だったとか。過去には全然採れなかった年もありました。
手探りで始めた亜麻の栽培
栽培を始めたころは、品種も合わなかったり、毎年のように栽培する品種を変えていたりした時期もあったといいます。
「最初は、作り方も収穫の仕方もわからなくてね。コンバインのセットの仕方から、タネを播く時期、どの状態で収穫したらいいかさえもわからなかったんです。虫が大量発生したこともありました」
今は、品種のせいかまったく虫がつかなくなったといい、害虫に対しては無農薬の松脂のようなものも使っているそうです。
手間ひま掛けて愛情込めて
栽培そのものは大変ではないけれど「除草はやっぱり大変」と栄木さん。「苗が小さいうちは機械で除草できるので、この時期にしっかり除草しておくと、あとが楽になります。ただ、この時期は忙しい時期と重なるので、痛し痒しというところですね」
苗が大きくなると手で除草することになり、その作業はさすがに大変。しかし、冒頭で栄木さんが話していたように、車を停めて亜麻畑の美しさに感動している人たちの姿を見ると、苦労も報われるというものです。みなさんも亜麻畑に通りかかったら、車を停めて、農家さんが愛情込めて育てた畑の美しさに触れてみてください。