小野田由美#1「亜麻の種をまく」

亜麻の栽培を始めて11年目になります。

毎年春に一年草の亜麻の種をまきます。

今年は4月18日に種をまきました。

50坪ほどの面積です。

亜麻には一年草と多年草の種類があります。

油や繊維を採るのは一年草の亜麻です。

種まきの時期が近づくと週間天気予報をチェックします。

発芽しやすいように、雨が降りそうな日の前に種をまくようにしています。

種をまく前に耕運機で土を耕し、鶏糞などの肥料を土に混ぜ込ませます。

種のまき方は「すじまき」にし、種まき後に薄く土を被せます。

水やりはしません。収穫まで、自然にお任せの雨水のみで育てます。

私は亜麻を育て、茎から繊維を採り、糸を紡ぎ、手織りで布を織っています。

すべて手作業で布を作るので、一枚完成させるには多くの時間を費やします。

時間のかかる作業ですが、風土に合った身近な植物から布を作ることが生きがいですので、布作りを続けられずにはいられません。

布が完成した時は、喜びと充実感で満たされます。

栽培、糸紡ぎ、織、これらの作業によって、自分自身も癒され、人間も地球上の自然の一部であることに気づきます。

手紡ぎ手織りの亜麻の布は、少し無骨で表情豊かですが、使い込むほど肌になじむ柔らかさになり、心地よい愛おしい布です。

4月にまいた種は10日後に小さな芽を出しました。小さな芽は夏に向けて、どんどん成長していきます。
土にまいた種が発芽し、成長し、人の手により糸となり布になる。その布は愛着をもって使われ、優しく人体を守ります。
布として役目を果たした後、いつか土に還っていく。

そんな循環した流れに寄り添ったモノづくりを目指していきたいです。

小野田由美

小野田由美

亜麻を農薬を使わずに種から栽培し、繊維を採取し、手紡ぎ手織りで布を織っている。2009年より亜麻栽培を始める。2014年~ 江別市にある大麻銀座商店街にて糸紡ぎ教室、ワークショップなどの 活動開始。2017年~ 工房を岩見沢市栗沢町に移転。工房にて作業を行ったり糸紡ぎ教室を 開催し現在に至る。

●工房亜麻音 主宰